記事内に広告を含みます
選び方防寒着の選び方|耐水圧・透湿性の数字の見方
こんな現場に冬の寒い現場/雨の日の屋外
防寒着の数字は、耐水圧が「水の通しにくさ」、透湿性が「蒸れにくさ」で、どちらも大きいほど上です。たとえば耐水圧 10,000mm は、水の柱 10m ぶんの圧力まで、生地が水を通さなかった、という数字なんですよね。
ただ、2つとも、生地だけを試験した数字です。雨や雪の中で長く着るなら、数字より先に、縫い目の防水テープがあるかを見てみてください。乾いた寒さと風が相手なら、耐水圧 10,000mm・撥水の防寒ジャケットで足ります。
例にするのは、バートルの防寒ジャケット 7430 と、ハイビズ防水防寒ジャケット 7630 です。値段の差は 5,720円(税込・S〜XL。2026年10月14日時点)です。
耐水圧と透湿性は、何の数字か

耐水圧は、外からの水を、生地がどこまで通さないか。透湿性は、中の湿気を、生地がどれだけ外へ出すか。向きが反対の、2つの数字です。この2つを合わせ持った生地は、「透湿防水」と呼ばれます。
で、3つ目に見るのが、縫い目です。こちらは数字にならないので、製品のページで「防水シームテープ」のような言葉をさがします。
この記事でくらべる2着
防寒の7430と防水防寒の7630で、耐水圧と透湿性の数字を見てみます。
| 商品 | こんな人に | 耐水圧 (生地) | 透湿性 | 縫い目の防水 |
|---|---|---|---|---|
| 乾いた寒さと風が相手 | 10,000mm | 表記なし | 表記なし | |
| 雨や雪の中で長く着る | 15,000mm | 20,000g/m²/24hrs | シームテープ加工 |
値段:税込・バートル公式サイトの表示(2026年10月14日時点)。S〜XL の値段で、XXL から上は割高になります。
耐水圧:生地が、水の圧力にどこまで耐えるか
耐水圧(耐水度)は、JIS L 1092 という規格の試験で量ります。生地の、雨が当たる側に水の圧力をかけていき、裏側の3か所から水が出たときの圧力を読む試験です。圧力をゆっくり上げる低水圧法(A法)と、速く上げる高水圧法(B法)があり、厚手のレインウェアやスキーウェアは、高水圧法で量ります。
単位は、水の柱の高さ(mm)か、kPa です。1kPa は、約102mm。2着の数字を、そろえて並べます。
| 型 | 耐水圧 | 水の柱の高さ | kPa に直すと |
|---|---|---|---|
| 7430 | 10,000mm | 10m | 約98kPa |
| 7630 | 15,000mm | 15m | 約147kPa |
レインコートやスキーウェアの基準には、2,000mm 以上の数字がよく使われます。10,000mm なら、その5倍です。
もう1つ考えたいのが、体の重みです。ぬれた所にひざをついたり、座ったりすると、体の重みで、生地に強い水の圧力がかかります。立って動く仕事が中心なら、そこまで心配は要らない気がします。ひざをつく作業や、ぬれた所に座る作業が多いなら、数字の大きいほうが向きます。
撥水と耐水は、別のもの
撥水は、生地の表面で、水を玉にしてはじく加工です。試験も別で、水をスプレーしたあとのぬれ方を、1級から5級で見ます。生地の目はふさがっていないので、蒸れにくい反面、強い雨や長い雨では、水がしみることがあるんですよね。汚れや摩擦、洗濯で、はじく力が弱まることもあります。
耐水は、生地の裏に樹脂の膜を付けたり、織りの目をつめたりして、水そのものを通しにくくする作りです。耐水圧の数字が付くのは、こちら。7430 も 7630 も、耐久撥水加工と、耐水圧の数字の両方を持っています。ちなみに「防水」は、撥水と耐水をまとめた呼び方なんですよね。
縫い目:数字に出ない所を見る
耐水圧は、生地だけの数字です。服にするときには、ミシンの針で穴があきます。耐水圧 10,000mm の生地でも、針の穴の所は、水を止める力がほとんど残りません。生地の撥水が弱ってくると、縫い糸をつたって、水が中に入ってきます。
これを防ぐのが、縫い目を裏からテープでふさぐ加工です。7630 は「防水シームテープ加工」で、7430 には、この表記がありません。名前に「防水」が付くのも、7630 だけです。
雨や雪の中に長くいる人ほど、耐水圧の 5,000mm の差より、まずここを見てほしいかなと思います。ファスナー、フードのまわり、袖口も、水が入ってきやすい所です。
透湿性:汗の湿気を、どれだけ外へ出すか
透湿性(透湿度)は、JIS L 1099 の試験で量ります。水蒸気を吸う薬を入れたカップに生地をかぶせ、決まった時間のあいだに、生地を通って吸われた水蒸気の重さを量るしくみです。数字が大きいほど、湿気が抜けやすく、蒸れにくい生地になります。
表の透湿性は、生地 1平方メートルが、1日に通す水蒸気の重さです。ただ、透湿性は、試験の方法で数字が大きく変わるんですよね(このあとの注意で)。ほかのメーカーの数字とくらべるときは、方法がそろっているかを先に見ておきましょう。
7430 には、透湿性の数字がありません。数字が無いから蒸れる、という意味ではなく、くらべる物差しが無い、ということです。動いて汗をかく仕事で、蒸れにくさを数字で確かめたいなら、数字のある型から選ぶのがおすすめです。
同じ物差しで並べるときの、3つの注意

ほかの型やメーカーの数字と並べるときは、先に、次の3つをそろえます。
- 耐水圧の単位:mm と kPa の2つがあります。1kPa は 約102mm。kPa で書いてある数字は、102 を掛けると、mm に直せます
- 透湿性の時間:24時間あたりの数字と、1時間あたりの数字があります。試験の結果は、1時間あたりで出ます。A-1法の一般的な目安値の「1時間に 125g/m² 以上」は、24時間に直すと 3,000g/m² です。7630 の 20,000g/m²/24hrs は、1時間あたりに直すと 約833g/m² です
- 透湿性の試験の方法:A-1法(塩化カルシウム法)や B-1法(酢酸カリウム法)があり、B-1法のほうが、大きな数字が出ます。方法が書いていない数字は、ほかのメーカーの数字と、そのままは並べられません
バートルの2着には、試験の方法の表記がありません。7430 と 7630 のように、同じメーカーの中でくらべるのが無難かなと思います。
数字は、新品の生地を量ったものです。たとえば、耐水圧 475kPa の生地が、洗濯5回のあとで 360kPa になった例もあります。着ているうちに下がることもあるので、数字が大きくても、まったくぬれないわけではない、と思っておくくらいが、ちょうどいい気がします。
選ぶ順番

この順番で見ると、迷わずに1着にしぼれます。
- ぬれる時間を考える:雨や雪の中に、どのくらいいるか。ほとんどいないなら、撥水と耐水圧 10,000mm の防寒ジャケットが、最初の候補です。雨の日だけ、上にレインウェアを重ねる手もあります
- 縫い目の防水を見る:長くいるなら、防水シームテープの表記がある型を選びます
- 数字と、職場の決まりを見る:ひざをつく作業なら耐水圧、汗をかく仕事なら透湿性。高視認性や帯電防止の服が決まりになっている職場では、その表記も見ます
どちらを買えばいいか
防寒着は、冬の朝いちばんの冷えこみを思いうかべて選ぶと、失敗が少ないです。で、乾いた寒さと風が相手なら、7430 です。値段は 10,780円。帯電防止の表記(JIS T8118適合)があり、サイズは 4XL まであります。
雨や雪の中で長く着る、動いて汗をかく、高視認性の色が要る。このどれかに当てはまるなら、7630 です。値段は 16,500円。高視認性の表記(JIS T8127適合(クラス2))には、オレンジとイエローの、色の番号が添えてあります。
高視認性や帯電防止の服が要るかどうか、どのクラスが要るかは、職場や作業でちがいます。買う前に、職場の安全の担当の人にひとこと聞いておくと確実です。
バートル 防寒ジャケット 7430 とハイビズ防水防寒 7630 のちがい
レインウェアの数字:アイトス ディアプレックス 3着のちがい
雨の作業向けの形から選ぶなら:作業用レインウェアの選び方|上下・フード・反射と、耐水圧の数字
風と冷えをしのぐ、中綿入りの1着

バートル
7430 防寒ジャケット(ユニセックス)
10,780円税込・バートル公式サイトの表示(2026年10月14日時点)。S〜XL の値段で、XXL から上は割高になります
