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基礎知識電熱ベストの注意|低温やけど・異常発熱・バッテリー
こんな現場に冬の寒い現場
電熱ベストで気をつけることは、低温やけど・異常発熱・バッテリーの3つです。まず気をつけたいのが低温やけどで、熱いと感じない温度でも起きるんですよね。44℃ でも、数時間当てつづけると、皮膚が傷つくことがあります。だから、肌にじかに当てない・同じ所に長く当てつづけない、の2つが大事になります。
異常発熱は、中の電熱線や電線が傷んだときに起きます。国民生活センターのテストでは、切れた線どうしがふれた所が、約30秒で 200℃ に達することがありました。バッテリーは、リチウムイオン電池で、熱と衝撃に弱い性質があります。
で、どれも基本は、決められた使い方を守ること。そして「あれ、おかしいな」と思ったら、すぐにやめることです。
気をつけることは、3つ

電熱ベストは、見た目は服でも、中身は暖房の入った電気製品なんですよね。だから、ふつうの防寒着には無い注意が、3つあります。
| 気をつけること | どんなときに起きるか | まず、すること |
|---|---|---|
| 低温やけど | 熱いと感じない温度でも、同じ所に長く当てつづけたとき | 肌着の上から着る。寝るときは使わない。熱いと感じたら切る |
| 異常発熱 | 中の電熱線や電線が、傷んだり切れたりしたとき | 強くこすらない・折り曲げない。おかしいと感じたら、すぐにやめる |
| バッテリー | 落とす・押しつぶす・高温の場所に置く・合わない充電器を使う、など | 専用の充電器で、目の届く所で充電する。傷んだ物は使わない |
低温やけど:熱いと感じなくても、長く当てると起きる
低温やけどは、心地よく感じるくらいの温度でも、皮膚の同じ所に長くふれていると起きる、やけどです。ふつうのやけどより痛みが少なく、軽そうに見えても、深いやけどになっていることがあります。
| 皮膚の温度 | やけどになるまでの時間のめやす |
|---|---|
| 44℃ | 3〜4時間 |
| 46℃ | 30分〜1時間 |
| 50℃ | 2〜3分 |
時間は、そのときの体調など、体の状態によっても変わります。
高齢の人は、皮膚がうすいうえに、感覚がにぶくなっていることがあります。子どもも皮膚がうすく、糖尿病の人も感覚がにぶくなっていることがあるので、こうした人は、やけどが重くなりやすいと言われます。
電熱ベストの設定温度も、上の表と重なる温度です。たとえばバートルのサーモクラフト TC501 は、40℃ と 60℃ を切り替える型。設定温度は、発熱する所のめやすで、肌の温度そのものではありません。それでも、皮膚の同じ所に長くふれていれば、低温やけどになることがあります。
着るときの注意
型がちがっても、気をつけることは、よく似ています。
- 素肌に着ない(肌着やインナーの上から着る)
- 寝るときは使わない
- 発熱する所を、長い時間、同じ所に当てない。熱いと感じたら、使うのをやめる
- 自分の体に合った温度で使う
- 幼児・子ども・高齢の人、自分で脱ぎ着がむずかしい人、温度を感じにくい人は、使わない
- 体調の悪い人は、使わない
「高齢の人」が何歳からかは、はっきり決まっていないんですよね。当てはまるかも、と思ったら、買う前にメーカーか販売店にひとこと聞いておくと安心です。
あとは、見落としやすいのが、座りっぱなしの時間です。寝転んだり、いすにもたれたりして、発熱する所を体に押しつけたまま使いつづけると、熱がこもって、低温やけどになることがあります。車や重機の座席に長くもたれるなら、そのあいだは電源を切っておくのがおすすめです。
低温やけどは、見た目より重いことがあります。痛みや違和感があったら、「たぶん大丈夫」と自分で決めずに、すぐ皮膚科などの医療機関で診てもらいましょう。
異常発熱:切れた線がふれると、200℃ になることも

電熱ベストの中には、熱を出す電熱線と、そこへ電気を送る電線が入っています。着ているあいだのこすれや、折りたたみで、線に力がかかりつづけると、傷んで切れることがあります。すっかり切れれば電気が流れないので熱くなりませんが、切れかけていたり、切れた線どうしがふれたり離れたりする状態だと、そこだけが仕様をこえる温度になることがあります。
| テストの中身 | 結果(例) |
|---|---|
| 正常な発熱体に、電気を流した | 最高 58℃。電熱線が、ほぼ同じように温まった |
| 切れた線どうしを、不安定にふれさせて、電気を流した | ふれた所が、約30秒で 200℃ に達することがあった |
| まわりの温度 20℃ で、電気を流した | 発熱体は、最高 68℃ |
| まわりの温度 40℃ で、電気を流した | 発熱体は、最高 84℃ |
発熱体や線を、服から取り出して測った例の数字です。
まわりが熱いと、発熱する所も熱くなります。テストした品に、発熱体の温度が一定になるように抑えるものは、ありませんでした。ただ、一定の温度をこえると電気を止める、保護のしくみを持つ品も、一部にありました。
相談の多くは、ジャケットとベストです。電熱ウェアの相談 228件のうち、170件がジャケットとベストでした(2017年4月〜2022年9月)。「首元が焦げて穴が開いた」「背中に水ぶくれができた」という例があります。テストした品には、すぐに危険につながる製造上の不具合は、ありませんでした。
異常発熱を防ぐために
- 強くこすらない、折り曲げない(中の線に、力をかけない)
- しまうときは、なるべく折りたたまない
- ストーブなどの暖房のそばや、ふとんの中など、高温になる所で使わない
- ぬれたまま使わない。洗ったあとは、すっかり乾かしてから使う
- いつもより熱い・こげくさい・形が変わった・動かなくなった、と気づいたら、すぐに使うのをやめる
上に服を重ねすぎるのも、熱の逃げ場がなくなって、発熱する所がより熱くなることがあります。重ね着は、ほどほどに。洗えるかどうか、洗濯機に入れていいかは型ごとにちがうので、自分の型で見ておきましょう。
型ごとの洗い方なら:電熱ベスト・ファン付きウェアの洗い方|外す物と、洗えない物(洗濯機・手洗い・ファンの水洗い)
あとは、買うとき。製造元や販売元、型番や機能といった仕様が、はっきり書いてある品を選ぶと安心です。国内の問い合わせ先が書いてあるかも、ひとつの目じるしになるかなと思います。
バッテリー:リチウムイオン電池は、熱と衝撃に弱い
電熱ベストの電源には、スマートフォンやモバイルバッテリーと同じ、リチウムイオン電池が使われていることがあります。熱や衝撃に弱く、扱いをまちがえると、煙が出る・火が出る・熱くなる、といった事故が起きる場合があります。
事故は、充電しているときだけでなく、使っているときにも起きています。消費者庁の事故情報データバンクでは、リチウムイオン電池を使って暖をとる製品の事故 68件のうち、半分ほどが電熱ベストや電熱ジャケットなど。電池が原因と考えられる事故は、使っている最中が 13件、充電の最中が 11件でした(2014年4月〜2024年9月)。
| 場面 | 気をつけること |
|---|---|
| 使うとき | 落とさない。ポケットやかばんの中で、強く押しつぶさない。ぶつけたあとで、ふくらみ・変色・熱・においに気づいたら、使わない |
| 充電するとき | 専用の充電器を使う。様子が見える時間に、燃える物の無い所で。終わったら、プラグを抜く。寝ているあいだに、枕元で充電しない |
| 置いておくとき | 暖房のそば、こたつやふとんの中、炎天下の車の中、湿気の多い所に置かない。寒い時期に、カイロや暖房で温めない |
| 買うとき | 作った会社と、型番・仕様が確かな品を選ぶ。モバイルバッテリーは、PSE マークを確かめる。改造された物は使わない |
| 捨てるとき | 家庭ごみにまぜない。自治体の決まりにしたがう。回収の協力店に持ちこむ |
充電は、帰ってきてから寝るまでのあいだに済ませる、と決めておくのが、いちばん楽な気がします。寝ているあいだの充電を避けられて、朝の出がけにもあわてずに済みます。
バートルのバッテリー AC10 なら、次の4つにも気をつけます。
- 使える気温は、0℃〜40℃
- 使える時間が極端に短くなったバッテリーは、使わない
- 雨の中や、ぬれた所で使わない
- ペースメーカーを着けている人は、使わない
バッテリーが熱い、においがする。そう感じたら、まずはすぐに体から外します。煙や火が出たときは、充電中なら、プラグを抜きます。小さなバッテリーなら、消火器を使う・大量の水をかける・水をためたバケツに入れる、といった方法で、広がるのを防ぎます。手に負えないと思ったら、燃える物を遠ざけて、すぐに 119番に通報してください。
現場で使う前に、確かめること

- 取扱説明書を読む:使える気温、洗い方、合うバッテリーは、型ごとにちがいます
- 肌着の上から着る:素肌に着ない。同じ所に、長く当てつづけない
- おかしいと感じたら、やめる:熱い・こげくさい・ふくらんだ、に気づいたら、電源を切って、バッテリーを外す
で、現場の決まりも、先に見ておきましょう。バートルのように、可燃性の液体やガスのある所では使わない・充電しない、雨の日は使えない、という型もあります。火や水を扱う場所でバッテリーつきの服を着ていいかは、職場の安全の担当の人にひとこと聞いておくと確実です。
リコール(回収)が出ていないかは、消費者庁の「リコール情報サイト」と、メーカーのお知らせで見られます。
型ごとの温度と、使える時間
2つの型の数字を、並べておきます。どちらも、メーカーが自分の条件で出しためやすで、着かたや気温で変わります。
| 型 | 設定温度 | 使える時間のめやす |
|---|---|---|
| 自重堂 電熱ベスト FGA79000 | 高温 約50〜55℃/中温 約40〜45℃/低温 約35〜40℃ | 前と後ろの両方で、約3時間/約4.5時間/約7.5時間 |
| バートル サーモクラフト TC501 | 60℃/40℃ | 約4時間/約10時間 |
自重堂 電熱ベスト FGA79000|温まる所と使える時間、インナーベスト・電熱パッドとのちがい
バートル サーモクラフト TC501+サーモベスト 3274|パッド・ベスト・バッテリーで、そろえる物と使える時間
電熱ベストの選び方|形 → バッテリー → 使える時間の順で決める
ちなみに、バートルの TC501 は、パッドだけの商品なので、専用のベストとバッテリーが別に要ります。
首から腰まで温まる、バッテリーつきの1着

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